2013年1月28日月曜日

2013.01

今年は都内の展示にもう少し足を運びたいです。
旅はちょっと控えて家具にあてたい気持ちもある、けどどうだろうな。展示目当てで遠出しちゃいそう。


美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年


国立近代美術館ってリニューアルしてたんだ、知らなかった。
ぶるっ展て名前はウーンて感じもなくはないのですが、展示内容は素晴らしかった。

1部のMOMATコレクションでは、明治以降の美術品がずらりと。
華岳の日高河清姫図は素晴らしかったなあ、ゆらゆらと全てが不安定で、今にもなにかが起こりそうな世界。
闇の空に反して地から光が放たれているような不思議なコントラストも、不気味さに拍車をかけている。

大好きな芳崖や清方、それに福田平八郎の雨なんかもありつつ(これって東近美所蔵だったの)
アッ小倉遊亀の浴女も良かった。なにあの構図。そして戦争画に岡本太郎に草間彌生まで。
盛りだくさんな内容ですが、椅子がたくさんあってゆっくり鑑賞できました、でもこれでまだ1部w
すごいボリュームだな・・・

そして2部の実験場1950sは強烈。
まずは入り口には被曝のニュース映像。そして原爆ドーム、被爆者の写真。
奇形の顔をした彫刻から河原温の浴室へ、政治的な印刷物ずらり、かと思えば暮しの手帖、
カメラ雑誌と木村伊兵衛の作品いろいろ、無骨なインスタレーション。映像、映像。〆は再度原発。
ひたすらグサグサと刺されているような気分に。疲れた。暮しの手帖のレシピはまずそうだった。

メタボリズム建築展をぱーっと思い出したけど、あれは1960年代なのか、



野外にはスタジオ・ムンバイの「夏の家」。
涼しげで開放的なそれは、素朴な雰囲気はありつつも、竹のオブジェがキリリと配置されて青で締まっていて格好良い。
つくりながら考えるという手法はなかなか難しそうなイメージですが、対等な関係で互いに尊重しながらやってるのだろうか、
色々なシーンにぴったりくる生活の場って感じでとってもいい建築でした。壊しちゃうのかな、勿体無い!



シャルダン展


シャルダンは初期は風俗画も描いていたようなのですが、自分は静物画を描くと決めてからはしばらくそうし、
その後勧められて風俗画を描きだし支持を得て、晩年には再度静物画へ戻った作家とのこと。

質感の描写がとても良くて、銀の艶やかな様子や果実のみずみずしさがひしひし伝わる。
初期の作品では白が際立っていた銀のゴブレットも、晩年の作品では全体的にトーンを落とし、映り込みや影を際立たせてより銀っぽい。
風俗画なんかを観ていても、シルクのスカートの質感が綺麗だったな。
洋画の展示は滅多に見ないけど、チラシに惹かれて行ってみたらとってもよかった。



新春の国宝那智瀧図 仏教説話画の名品とともに


展示室1には仏教説話画がずらり、展示室2には那智滝図一点のみ。
初日のさほど混雑してない時間帯に、贅沢に配置された作品をゆったりと鑑賞してきました。

釈迦八相図って釈迦死ぬ話?涅槃図その後?とか思ってたら違いました・・
涅槃までの生涯の大イベントを描いたものらしい、無知は恐ろしい、知識は素晴らしい。九相図とは違うようです。

そして那智滝図。金泥などを岩部分に使用しているとのことだったので、当時はさぞ絢爛だったろう、
今は全体的に褐色となってしまい、滝部分の胡粉の白が際立つ。
けれどそれが垂直に落ちる滝を強調して、神聖さが増すような雰囲気。解説も丁寧で良かったです。



博物館に初もうで


すっかりARATAが日本画のミューズに・・・。青が似合うなあ。
というわけでひさびさのトーハク。等伯の松林図屏風が観れる。




仏画など。鹿曼荼羅ってかわいいよね、鹿。



そして長谷川等伯の松林図屏風、国宝部屋にしっとりとした空気をおとす。静かに揺らめく松林と、霧がたちこめ湿度の高そうな大気。
近づいて筆跡を観ると、ばさばさとした松葉が気持ちを揺さぶる。これは藁筆などで描いたらしい。

自分の下手な言葉で表現しようとすると、陳腐でしょうもなくなってしまうのだけど、
しかし、こんなに絵で感動したことないというくらい感動した作品だった。
作品全景を眺めて悲しい気持ちになった後、間近に観てゾゾワーと鳥肌立って、じわっと涙が出た。悲しい絵だ。

これ以上なんか言うともう絵が台無しだ、ごめんなさい。とにかく本当に素晴らしいということです。智積院行こ。



光琳の風神雷神図屏風なんかも賑わっていました。が、線が太くいびつでぎこちない感じ。
宗達は屏風からはみでた風神雷神を描いたけど、こちらは屏風内にすっぽり収めている。
だからかな?どことなく迫力に欠けていて、また、間が狭く窮屈な印象を受けた。暗雲の存在感も強すぎるような、、
という話を日本画教室の先生にしたら、いやいや光琳はうまいでしょうと。
技法や筆のはこびも独特で素晴らしい。着色もべたっと塗っているようでそうでない云々。そうなんだーってびっくりした。これだからトーシロは。わかったふうに語る自分が恥ずかしいですね!

個人的には宗達の模写なら、松島図屏風のほうがずっといい。こちらはボストン美術館展で観れる。


光琳人気でほとんど観てる人いなかったけど・・・隣にあった海北友松の琴棋書画図屏風が良かった!
やわらかな筆の線で描かれた人物はとても華やか(金泥で描かれた模様が美しいー)で、一方背景は豪快。
その筆跡がまたかっこいい。蕭白でも観たこのパターンが好みなのかも。全部みちみち緻密絵も好きだけど。
友松の水墨画は建仁寺の障壁画でじっくり堪能できるけど、部屋の中へは入れないのでちょっと遠い。
ガラス越しでもこんな近くで観れて嬉しかった。





そして江戸時代の絵画。愛嬌あって楽しい作品ずらり。若冲の鶏、のとなりに芳中の鶏。どちらも呆けた表情。




最後に浮世絵。豊国の新年のやつよかった。あとは国芳の菊干支。なぜ菊・・かわいいね。
かんざしなんかも展示されていて楽しかった。細やか〜〜〜〜〜

2階だけで2時間かかっちゃって閉館。1階観れなかった・・・朝イチで行かないとでした。

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