2011年7月31日日曜日

2011.07

今月は暑かったのでひきこもりです。
ところで月記は、今月の行動記録で感想とかも書いてる、
だいたい「よかった」とか「きれい」とか「おもしろい」って言ってて小学生っぽいの恥ずかしい。

美術館


ヤノベケンジ「アトムスーツ・プロジェクト:大地のアンテナ」
山本現代にて。不気味に響く電子音と、まっさらな大事にぽつねんと立つアトムスーツ、
ピンとはりつめたギャラリーの空気。ぞっとした。。


松嶋由香利「口にすると嘘になる呪文」
児玉画廊。世界観が出来上がっていて、とってもキュート。
メルヘンのような、一見かわいらしいが毒々しさを帯びている絵画。
わざとらしくラメを使ってみたり、パターン柄のようなものを差し込んでいたり、
でもちょっと物足りないなと思ったけどそれは好みの問題か。


ライアン ガンダー「Meaning...surrounds me now」
1223現代絵画にて。
ソファが置いてある、そこに座ってじっくり考える・・ことで完成する?のかなあ。
ちょっと難解でした。しかしここ、500円はちょっと高いのでは。。


美しき日本の原風景
古き良き日本の平凡な風景をイメージして訪れた展示だったけど、
とても美しく描かれていてすっかり特別な風景に変わっている。
広重の浮世絵もあった。『雪月花』のうち『木曽路之山川』が展示。
雪を纏った風景が化物じみていてとても気持ち悪くて美しい。

しかし東京に住んでいると、自然を感じることが特別・・
美術館でちょっとした国内旅行気分味わえてよかった。


没後150年記念 破天荒の浮世絵師 歌川国芳
大人気らしい国芳展、後期。前期は知らなかったので行けなかった。
国芳で知っていたのは髑髏と寄せ絵だけだったので、はじめてだらけ。
猫の愛嬌たまらん表情がかわいらしかった、
色彩豊か、柄だらけ、とってもお洒落な方だったのね。
工夫を凝らしたおもしろい浮世絵でした。


カレル・ゼマン チェコ・アニメ もうひとりの巨匠 トリック映画の前衛
不気味なシュヴァンクマイエルをのぞけば、
チェコアニメーションてかわいらしい、精巧な人形劇ではという印象、
がカレル・ゼマンは違った。チクチク突かれたり、ドキドキさせられたり。
特撮のハウツーのような展示、映像も多くてたのしかった。

シュヴァンクマイエルの展示も来月からラフォーレであるっぽいですね。


空海と密教美術展
土日の上野はすごく人が多い。



映画
127時間
オープニングからしびれる音楽と映像、テンポがよくってかっこいい。
内省的なシーンはすんと考えさせられたり、笑えたり、
岩壁にはさまれている状態がすっと続くのにちっとも飽きない。
とてもおもしろかった。痛々しいシーンは見れなかった。

Sigur Rosのさいごのアレは静と動がとても印象的な曲で、
だからあのシーンであの曲のあそこから使うというのがすごくよかった。



ひきこもり


歩いても歩いても
是枝監督作品。
これは家族の話なのだけど、その独特の窮屈さ、殺伐とした空気、
個々の閉塞感がじんわり染み出し狂気がふと降りる瞬間とか、
ひとつひとつの描写がとても丁寧でよい。
最近よく帰省するたびに、こういう感じなんだよねなんて身につまされる気持ちで見ていた。


Dolls
むかし鮮やかだなあと思った記憶だけあった、
そう思うときはだいたい赤い色が印象に残ってる気がする。映画はこわかった。
不気味とかじゃなくて悲しみに満ちたこわさというか、
プツンと切れたときにそれまで鮮やかだった色がなくなっていく感じがこわい。
ヨウジの衣装は時を経ても素敵でした。映画館で見ればよかった。


純喫茶 磯部
ばつのわるい表情がみんなよくって、感情移入してキュウっと心臓つままれる感じした。
最後にじーんとくる余韻がよい。あと仲里依紗可愛い。


トウキョウソナタ
家族がついにブッ壊れて、でも家に帰って同じ食卓でごはんを食べる。
このくだりがすっごくよかった、おとうさんへんなかっこう。
そこから最後のピアノのシーンまでの、雪解けみたいな感じもよい。


たみおのしあわせ
すごくたまたまだけど、最近、原田芳雄が出ている映画をよく見てた。
さみしいな。

ところでこの映画はつかみどころがなくって、つまらなかった。

2011年7月5日火曜日

奈良

ひさしぶりの一人旅です、一年ぶりくらい?もう忘れてしまいました。

奈良です。奈良はたぶん、高校の修学旅行以来かな、
当時恋焦がれていた男子が京都より奈良のほうがよいと言っていて
やっぱりこのひとはしぶくてかっこうよいと思った記憶があります。





夜行バスを降りると目の前になら100年会館です。
磯崎新設計。
ポストモダン建築のイメージが強くそこまですきではない磯崎さんですが、
このなら100年会館はほどよくちからの抜けたようなかわいらしさがあった。
外壁が瓦のようになってるのは奈良だからなのかな、
繭のようなかたちやちいさな窓。ああなんか虫っぽいのかも、
地面のところに窓がつらなっていて足っぽい。

電車でごとごと約10分。
法隆寺駅で下車、15〜20分ほど徒歩して向かうは


柿くおうぜ!!!!!!!!!! 法隆寺!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



というわけで法隆寺です、こちらは南大門。
そこまでつながる松の道がきもちよい。
開いた門を通して見る寺院内の風景は非常に端整、
その中は時間がとまってる、絵画見てるみたいな不思議な気分だった。





中門、塔、金堂、講堂。
中門には金剛力士像、ほかはそれぞれ仏様が。


夢殿、中宮寺。
夢殿の中には救世観音がおられますが秘仏のため年2回の公開、今回は見れず。

法隆寺といえば世界最古の木造建築群。
聖徳太子と推古天皇がパパ(用明天皇)の遺志をついで建立したものとされる。
国宝・重要文化財だらけでそれはそれは素晴らしいのですが
やはり感動したのは百済観音です、
小顔ですらりとした体躯、身に纏う衣の美しさも流れる裾まで凛としている。

そして中宮寺、吉田五十八設計のこじんまりとしたお堂。
そのなかにひっそりとおられるは半跏思惟像です。
かすかに傾き穏やかな表情、半跏思惟とは話を聞いて考えている様子とのこと、
ほんとうに感動してしまって言葉にできないです。
朝早くに訪れたために独り占め。しっかりと堪能しました。


奈良のおじいとおばあはかわいい、
すれ違ったときにおはようとかおかえりって言ってくれる(なぜおかえり?)
未来都市で枯渇しきったこころに潤いが・・・・

中宮寺前バス停から再び奈良駅方面へ。
1時間に1本です・・たまたま着いたのが3分前とかですごく幸運だった、

ちなみに奈良はほとんどタクシーが走ってない。
私は駅前以外で一度も空車に出会えませんでしたし、奈良ホテルですらお迎え頼まないとだめっぽかった。
斑鳩方面から奈良駅方面へのバスは毎時1本ぽい?ので電車が無難かも。


バスに揺られて1時間ちょっと。県庁前?で下車。
このへんはもう奈良公園ですので、鹿ゾーンです、



興福寺。
ここの国宝館は表情豊かな像がたくさんあり、とても楽しめた。
板彫十二神将立像阿吽の邪鬼像が好み。
普段は踏みつけられてぎゃふんとしている邪鬼がぎらぎらとする様がかわいらしい。
興福寺はなんとウェッブで国宝を見られるので
気になったものがあったら足をはこぶとよいのでは。



依水園・寧楽美術館。
ガイドブックでみて素敵やんと思い寄り道した。
東畑謙三という方の設計でした。
奈良の中南部に古くから見られる大和屋根、
これは急勾配の屋根と緩い勾配の瓦屋根を重ねたような屋根なのだけど
それをモチーフにしており、東大寺など近隣の寺社の存在や奈良にあることを意識できるデザイン。
色味もかたちもかわいらしいのにどことなく緊張感漂う建物で素敵やん。




東大寺。
世界最大の木造建築だっけ・・。すごいおおきい、ひとがゴミに見える。

鹿かわいかった。




二月堂。
高台からの眺めがきもちよい。
ここはかわいらしいお堂だった、階段に彫られた模様や虹色の鈴紐。
お堂の建築自体もかわいい、源平の争いで焼失?したのを
徳川家の援助で再建したらしい。
しかしやたら焼くなあ・・このへんで争いがあったんだっけ・・



東大寺南大門。
運慶・快慶・湛慶による金剛力士立像。



鹿にかばんを食べられています。かばん食べてる鹿もかわいい。

浮見堂。
大正時代に建てられたものが平成になって改修され今に至るよう。
景観を楽しむために作られたのかなあ、奈良ホテルも見える。




浮見堂から南へまっすぐ、喫茶みりあむにてカレー。
今までたべたことのないようなあじ。サラサラとしたルウに
柔らかいお肉がはいっているのはKARI(新橋の)のよう、
味はまったくの別物でとびきりおいしい。
歩き疲れたからだにキュウと効く。オーナーもおもしろいお方でまたいきたい



奈良ホテル。辰野金吾設計。
ジョサイア・コンドルのもとで学び、明治〜大正初期の洋風建築をたくさん作られた方。
赤煉瓦の建築の印象が強いだけど、奈良ホテルは木造の瓦葺き。
この方は景観にあう建築を意識されていたという文章をどこかで読んだことある。




そして、わりとはやい段階で奈良ひとりたびは終了。
奈良ホテルから奈良ロイヤルホテルまで1時間くらい歩き、日帰り温泉。
サイトのクーポン持参で1000円になるようです、
休憩スペースやマッサージなんかもあって極楽・至福。

ちなみに駅前のスーパーホテル?にも日帰り入浴できるところあって、
そっちはひとりだと3000円、ふたりだと4000円てかいてあった。
ロイヤルホテルほんとう遠くてぶっ倒れそうになったので高いけど駅前のがよいかも。

温泉上がりに奈良ホテルのバー行きたかったけど疲労困憊であきらめた。
疲れすぎてあきらめたところいっぱいあるんだよね、
薬師寺唐招提寺春日大社・・斑鳩も一日かけてゆっくり観たかったし
黒川紀章設計の写美にも寄りたかったな。
まあ今年中か来年あたり奈良再訪しそうなのでそのときまで楽しみにしとこう。


ほんと0泊3日の旅行はつかれる。
無茶はしないほうがいいと思った旅行でした、往復バスでも間に一泊はさむのがよいでしょう。